うぃんどろいど.net

ガジェットと旅行記

【考察】Redmi Note 10 JEやMi 11 lite 5Gを出し「OPPOの上位互換」になりたいXiaomiの狙い

f:id:MihanadaMikan:20210805002141p:plain

 

世界トップクラスのスマホ出荷台数を誇る中国Xiaomi(シャオミ)が、新型スマホ「Redmi Note 10 JE」を発表した。ライトユースなら十分な処理能力とおサイフケータイを搭載し、価格を2万円台に抑えたXiaomiらしい高コスパスマホである。

Xiaomiといえば、先日ミッドハイのおサイフ搭載スマホ「Mi 11 lite」を発表したばかりである。それ以前にも複数の機種を発表しており、今年に入ってから日本市場に送り出した機種はなんと5機種にものぼる。まだ日本参入から2年経っていないメーカーとは思えないペースだ。今回はXiaomiのラインナップから見る、Xiaomiの狙いについて解説していく。なお結論から言えばタイトルのとおり「OPPOの完全上位互換になること」なのだが、以下でそれについて詳しく解説していくことにする。

Xiaomiが日本に投入してきた機種

話を始めるにあたって、まずはXiaomiが2021年、日本で発売した機種のラインナップを見てみよう。

Redmi 9T

f:id:MihanadaMikan:20210804042605p:plain
新品でも1.5万円という超低価格にもかかわらず、ライトユーザーならまともに使える処理能力(Snapdragon662、Antutu18万点)を有するエントリークラスのスマホ。実機を触ってみるとさすがに筐体の質感やディスプレイ、カメラの品質は値段相応だが、とはいえ処理能力が終わってるポンコツスマホばかりだったこの価格帯において圧倒的な処理能力は大きな魅力である。ガラケーや5-6年前のスマホからの乗り換えであれば文句無しにおすすめできる高コスパスマホ

Redmi Note 10 Pro

f:id:MihanadaMikan:20210804042655p:plain
新品3万円台のミドルレンジスマホ。5G非対応の4Gスマホで処理能力も中くらいながら、上質感の高いハードにこだわりの1億画素カメラ、そして120Hz駆動の有機ELディスプレイなど、ハイエンドな要素もしっかり抑えたこれまた高コスパなモデル。人気の価格帯に圧倒的な付加価値を盛り込んできたことで多くの支持を集めるモデルとなっている。

Redmi Note 9T 5G

f:id:MihanadaMikan:20210804042728p:plain
名前の通り5Gに対応した、ソフトバンク専売のスマホ。イメージとしてはRedmi 9Tの5G版という趣で質感やディスプレイ品質は必要最低限だが、それでも十分キビキビ動く処理能力を備え、おサイフケータイにまで対応して価格を1万円台に抑える圧倒的な低価格を実現し話題となった。MNPなどで「一括1円」として売られる端末という側面もある。

Mi 11 Lite 5G

f:id:MihanadaMikan:20210804042808p:plain
新品43,800円とXiaomiのラインナップではやや高価な部類にはなるが、少し前のハイエンドをも凌駕する処理能力のSoC(Snapdragon 780G)を搭載し、高品質な有機ELディスプレイ、5G、おサイフケータイにまで対応とまさに「全部盛り」な圧倒的超コスパミドルハイスマホにこだわりがないならこれ買っとけ!と自信をもって誰にでも勧められる機種。ちなみにiPhone SE2の完全上位互換とも噂されている。

Redmi Note 10 JE

f:id:MihanadaMikan:20210804042838p:plain
今回新たに発表された、Redmi Note 9T 5Gに次ぐ第2の「おサイフ対応5Gミドルレンジ」。JE(Japan Edition)と名前にあるように日本市場専用に投入される力の入ったモデル。2万円台ながら90Hz駆動のディスプレイ(ただし液晶)を搭載しており、SoC(Snapdragon 480)の処理能力も必要十分。KDDI専売モデルとなっており、UQモバイル5Gのローンチとともに発売されるモデルでもある。

 

OPPOの機種と見比べてみると……

こうしてみると、Xiaomiは低価格帯を中心にものすごい勢いでラインナップを拡充していることがわかる。当然ながら低価格な機種は数を出さないと利益が出ないので、日本でたくさん売ってやるぞ!という決意の表れとも言えるだろう。

……だが、それだけではない。このラインナップからもうひとつ言えること、それはXiaomiがOPPOのラインナップに露骨に寄せてきているということである。

 

Mi 11 Liteを例に取ってみよう。これの比較対象となるのはOPPOのReno5 Aである。どちらもおサイフ搭載のミドルハイSIMフリースマホで、価格に至っては43,800円と全く同じである。

f:id:MihanadaMikan:20210804233534p:plain

OPPO Reno5 A

だが、この2機種は細かいところではグレードが全く違う。Mi 11 Lite 5GのSoCはSnapdragon780Gだが、Reno5 Aはちょうどその一世代前にあたるSnapdragon765Gである。つまり、価格が同じにも関わらず、両者の間には丸1年分の性能差があるのだ。他にも画面もMi 11 Liteが有機ELなのに対してReno 5Aは液晶だったり、本体サイズもMi 11 Liteのほうが軽くて薄かったりと、とにかくReno5 AにはMI 11 Lite 5Gに勝てる要素が何ひとつとしてないのだ。

 

イムリーなRedmi Note 10 JEについても見てみよう。こちらは同じくKDDIから発売されているOPPO A54 5Gと比較してみる。この2機種には共通点が多く、例えば搭載SoCはともにSnapdragon480(400番台らしからぬ高性能のエントリークラス5GSoC)、メモリとストレージもともに4GB・64GB、画面も両機種ともに90Hzの液晶である。auを販路に持っていること、それから2万円台後半という価格も共通だ。

f:id:MihanadaMikan:20210804233723p:plain

OPPO A54 5G


だが大きな違いとして、Redmi Note 10 JEは上述のとおりおサイフケータイを搭載している。これはOPPO A54 5Gにはないものだ。日本市場限定のガラパゴスな機能であるおサイフケータイは、搭載コストの高さから低価格な機種では見送られがちであり、OPPO A54 5Gも例外ではない。しかし対するRedmi Note 10 JEはこの常識を打ち破ることに成功しているのだ。これを上位互換と言わずして何と言えばいいのか。

 

この2機種だけではない。他にもRedmi 9TはOPPO A5 2020と同等スペックで半額近い価格(発売時期が1年近く違うので単純比較はどうかと思うが)だし、なんなら同じクラスに位置するHuawei Nova lite 3+なども蹴散らす圧倒的コスパを実現している。Redmi Note 10 ProやRedmi Note 9T 5Gに至ってはもはや競合不在で無双状態である。

 

「海外メーカーを食う」Xiaomi

このようなXiaomiのラインナップからは、Xiaomiが日本市場で今どのようなパイを取りたがっているのかを垣間見ることができる。少なくとも現時点では、Xiaomiは「iPhoneや国内メーカー製スマホを使っている層」を取りにいくことをさほど重視していない。代わりに「すでに海外メーカーを使っている、ないしは前向きに検討している層」を総取りしようとしていると考えることができるのだ。

 

日本における(iPhone以外の)海外メーカー製スマホの普及は、最初はauなどから発売されたGalaxy、HTCなどから始まった。数年後にはSIMフリー市場の誕生とともにASUSHuaweiが少しずつシェアを拡大、近年ではOPPOなどが主流となってきている。なんだかんだ「日本製」信仰が強く、しかもiPhoneという巨大な競合もいる日本市場において、これらの海外メーカーはブランド力を上げるために並々ならぬ努力を重ねてきた。有名人を起用した広告(HTCの乃木坂46OPPO指原莉乃など)を打ったり、決して大きくはない日本市場のために多額の投資をしてガラパゴスおサイフケータイを搭載したり、時には日本独自仕様の端末(OPPOのReno Aなど)まで開発したりと、「日本製ではない」というディスアドバンテージを埋めるため、この10年の間各社ともに並々ならぬ努力を重ねてきた。そしてその甲斐あって、各社栄枯盛衰がありながらも、最近ではようやく日本でも海外スマホを受け入れる土壌ができつつある。SIMフリースマホの売り上げランキングには毎度海外勢が数多くランクインし、キャリアからもさまざまな海外端末が発売されるようになってきた。ガラケー時代にはほぼ国産の端末しかなかったことを考えれば、市場としてはずいぶん豊かになったといえるだろう。

 

そして、そんなふうに長い時間をかけてようやくできてきた「海外勢にもいい端末はたくさんあるよね」という雰囲気を最大限利用し、そうした層を最後発で一気に総取りしようとしているのが今のXiaomiなのだ。少なくとも僕にはそう見える。

 

もちろん、Xiaomiが日本市場に向けて他社のような努力をしていないというわけでは全くない。むしろ最後発という不利な立場から日本市場に入り込むため、とんでもない規模でリソースを投下しているということは誰の目にも明らかだ。しかし一方でその戦略は、OPPOなどの競合に対して「完全なる上位互換」をぶつけ、競合が持っていたパイを一気に奪いにいくというしたたかなものでもある。エグいことするなぁ…というのが正直な、率直な感想だ。

 

これからのスマホ市場が楽しみ

とはいえ、僕は別にそのことを批判したいわけでは全くない。むしろ、競争力の高い製品をどんどん出し、市場をかき回してくれることは素晴らしいことだ。ぜひXiaomiにはこの調子で、今後とも日本で頑張り続けてほしいなと心の底から思う。

そして願わくば、OPPOをはじめとする競合他社もそれに飲まれることなく、市場競争によってもっともっと素晴らしい商品を出し続けてほしい。Xiaomiの努力によってライバル企業たちももっと頑張らざるを得なくなり、結果として日本市場が今よりさらに素晴らしい製品で満たされるなら、そんな素敵なことはないのだ。

 

Twitterもよろしくお願いします↓

twitter.com