今回は、Huaweiが発売している無線LANルーター「HUAWEI WiFi AX3」をレビューしていく。Wi-Fi6(11ax)対応で実売価格5,000円前後という驚異的なコスパを誇る製品だが、どうやらちょっと"訳アリ"なようで……この記事ではそのあたりにも迫っていく。
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開封
"訳アリ"の内容について説明する前に、とりあえず商品を開封していく。なんやかんや久々のHuawei製品購入ということで、ワックワクで開封している。まずは外箱だが、これはスッキリしたデザインで非常に素晴らしい。というかNECとかのルーターの箱のデザインがいつまで経ってもゴチャゴチャしてるのはなぜなのか
内容物はこんな感じで、本体、ACアダプタ、LANケーブル、クイックスタートガイドが入っていた。ケーブル類も本体と同じ白で統一されているのは好印象。
本体は白1色のプラスチック製。とくに質感は高くないもののどんな部屋にも馴染むデザイン。
アンテナには、Wi-Fi6対応を表すロゴが誇らしげにあしらわれている。それによってどのくらいの速度が出るのかについては、記事後半で検証していく。
ボディ中央部には、スマホとの接続のためのボタンとNFCポートがある。これは何に使うのかというと……
Huawei Shareで簡単接続
それは、Huaweiのデータ転送規格「Huawei Share」によるスマホの接続のため。NFCを搭載したAndroidスマホであれば、ワンタップで簡単に接続できるというわけだ。
というわけで、NFCを搭載したHuaweiの「Mate 20 Pro」を接続してみた。スマホ本体をルーターにかざし、ボタンを押すだけで接続できる。
そしてこの機能は、NFCを搭載していれば、Huawei製スマホでなくても利用できる。Xiaomiの「Redmi Note 10 JE」を同じように接続してみたところ、たしかにちゃんと接続することができた。
一方、NFCを搭載していなければ、Huawei製の端末であってもこの機能は利用できない。EMUI搭載端末であれば設定画面上にこのようにHiLinkのアイコン(丸の中にHの字が書いてあるマーク)が表示されるので、これを押すことでちょっと簡単に接続できる。
"訳アリ"の理由
さて、Wi-Fi6対応ルーターということで、期待したいのはやはりWi-Fiの高速通信……なのだが、冒頭で触れたこのルーターの「訳アリ」ポイントはここにある。実はこのルーター、初期設定ではWi-Fi6のポテンシャルをフルに活かせず、通信速度が落ちてしまうのだ。
さっそくWi-Fi6対応のノートPC「HP Pavilion Aero 13-be」を接続し、速度を測定してみると、このように「初期設定」と「設定をいじった後」で速度が違っていることがわかる。これこそがこのルーターが"訳アリ"たる理由なのだ。
速度低下への対処方法
これを解決するためには、手動で設定をいじってやる必要がある。具体的には「5GHzを優先する」という機能をオフにしてあげれば良い。
まずはこのルーターに接続した端末のブラウザにURL「192.168.3.1」を入力し、管理画面に飛ぶ。初期設定でも使う画面なので、付属のマニュアルの手順に従って開けばOK。
管理画面の中で「自分のWi-Fi」というタブを開くと「5GHzを優先する」というスイッチがあるので、これをオフにする。
おまけ:セキュリティについて
ところで、Huawei製品で"訳アリ"ということで、もしかしてセキュリティに何か問題があるんじゃ、データが中国政府とかに送信されるんじゃ……?!とか思われた方もいるかもしれない。結論から言うと、別にそういうわけではないので安心していただきたい。
公式ページによるとこの製品は、国際セキュリティ評価機関(CC)の「EAL5」というセキュリティ評価を取得しているらしい。独立した第三者機関からの評価ということで、これはある程度は信頼しても大丈夫なやつだろう。
ちなみにこれは余談だが、この記事をお読みの方の中にはもしかすると「Huaweiは中国の国営企業」だと思われている方もいるかもしれない。これについては完全に誤解で、Huaweiは社員が全株式を保有する民営の持株企業となっている。もちろん一般的な通信インフラ企業として(日本でいうNECなどと同じように)政府からの補助を受けることはあるが、政府の役人が株を買い上げ、総会に介入し経営方針に口を出し……というようなことは起きない仕組みになっているのでそこは安心していいと思う。
まとめ:使いこなせるならむしろアリ
最後にちょっと脱線してしまったが、今回は「Wi-Fi6対応なのに初期設定だと速度が全然出ない」というわりと大きめな欠点を抱えたHuawei製ルーター「HUAWEI WiFi AX3」を紹介してきた。もちろん自分で設定を買えてやればいい話なのだが、知識のない人にはちょっとハードル高いよなあ……とも正直思う。実際、Amazonのレビューなどを見ると、この設定ができなかったユーザーによる☆1評価がいくつも見られる。
ただ、そのおかげで値段が大きく落ち、上述のとおり「Wi-fi6対応なのに実売価格5,000円前後」という驚異的なコスパが実現されているというのも事実。自分で設定をいじって上手に使うことができるなら、こんなにお買い得な商品もなかなかないだろう。決して万人向けではないが、玄人向けにならむしろオススメ、そんな製品だといえそうだ。
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