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ガジェットと旅行記

【18きっぷ日本縦断#05】海あり山あり!予想以上に車窓が楽しい山陽本線横断の旅(徳山~姫路)【乗車記】

 

今回は、青春18きっぷで日本縦断の旅をしたときの旅行記の続きを書いていく。第5回では、瀬戸内海や里山の景色の中を抜けていくバラエティ豊かな車窓を楽しみながら、山陽本線を一気に上っていくする様子をお届けしていきたい。

 

前回の記事はこちら↓

39anartwork.hatenablog.com

 

【もくじ】

 

 

はじめに:今回の旅行について

今回の旅行の趣旨は、青春18きっぷ1枚を1人で使い、5日間かけて普通列車だけで日本を縦断、つまり鹿児島県南端の枕崎から北海道北端の稚内まで行くというもの。地図に書き起こすと、1日目~5日目でそれぞれ次のようなルートをとることになる。

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1日目はピンク、2日目はオレンジ、3日目は黄緑、4日目は青、5日目は紫の区間を移動する

前回の記事では、熊本から鹿児島本線山陽本線を一気に抜けて山口県・徳山までやって来ていた。今回はその翌日の早朝からの内容となる。

 

瀬戸内海と日の出

泊まったホテルから徳山駅までの道にて

5日間かけて日本を縦断する青春18きっぷの旅、その2日目が始まった。徳山を6時ちょうどに出る岩国行きの普通列車に乗るため、眠い目をこすりながら宿を出て駅への道を歩く。ちょうど貨物列車が駅に滑り込んできた。まだ3月とあって早朝の空気は冷たいけれど、昨日とは違い今日は天候には恵まれそうだ。

ホームに降りてみると、昨日最後に乗ったのと同じ115系3000番台の普通列車が止まっていた。一瞬、昨日と同じ編成かな?と思ったが、別にそういうわけではないようだ。

というのは、車内に入ると、座席のモケットが真新しい赤色のものに張り替えられていたからだ。昨日乗った車両の座席は、もっと色あせた茶色のものだった。このリニューアルは昨年(2021年)秋ごろから順番に進められているようで、ということは、御年40になるこの車両もまだしばらくは現役だということなんだろう。

 

徳山駅を発車してしばらくすると、霧が目立つようになってきた。春は植物からの水の蒸散が増えることによって、霧が発生しやすくなる。これによって見られるぼんやりした景色を表す「春霞」という言葉は俳句で春の季語にもなっているらしい。こんな景色も今の季節ならでは、ということだ。

実際、柳井あたりでは「濃霧により速度を落として運転しています」とアナウンスが入るほどだった。列車が遅れないかちょっと心配だったけれど、結果的にはそうはならなかったので問題ない。

 

大浦〜由宇あたりは、目の前に瀬戸内海を望む区間。ちょうど日の出の時間と重なったので、「瀬戸内海から上る朝日」なんて車窓も見られてとても嬉しかった。今朝は早起きしたせいでまだウトウトしていたのだが、ふと目を開けると目の前が海で、一気に目が覚めた。贅沢な目覚めだなと思う。

 

瀬戸内海の景色をしばらく眺めていると終点・岩国に着く。ここからは新型車両である227系のテリトリーということで、同じホームに止まっている227系の広島行きに乗り込む。乗り継ぎがスムーズすぎて、席を確保するためには写真を撮っている余裕すらない……なんていうのも山陽本線の旅では"あるある"だと思う。

車窓には、三菱ケミカルの広島事業所が見えている。瀬戸内工業地域、というワードはおそらく地理の授業なんかで一度は聞いたことがあると思うけれど、今この列車はまさにその場所を横断している最中。ということで、このあたりは車窓から工場がたくさん楽しめる。

 

玖波を過ぎたあたりから、しばらく車窓にひときわ大きな島が見えるようになる。地図を見てみるとこれがかの有名な厳島、またの名を宮島らしい。僕もはるか昔に宮島に行ったことがあるけれど、こうして対岸から眺めるというのは初めての経験でちょっと新鮮。

ところで、宮島というと「広島市街の観光とセットの観光地」みたいなイメージがなんとなくあるが、実は宮島口〜広島も駅数的には6駅と意外と長い。昨日の博多〜小倉と同じく、他県民が抱いているイメージと実際の距離感に差がある例の1つだろう。この区間は、朝の広島市街に出る方向ということで、通勤通学の人などで列車はけっこう混んでいる。

 

個人的"推し車窓"と駅そばの思い出

この写真は終点・糸崎で撮影

広島に到着。急いで糸崎行きに乗り換える。車両は、引き続きピカピカの227系だった。

個人的に227系はかなり好きな車両の1つなのだが、その理由の1つがこの余裕のある足元空間。椅子の下が空いていて足を伸ばせることは、長旅の最中には切実にありがたいものだ。古い115系も旅情があって好きだが、やはり長時間乗るなら新しい車両が一番だなぁと思う。

山陽本線に乗っていると、広島近辺はけっこう海のすぐそばまで山が張り出した地形であることがよくわかる。海と山の間のわずかな隙間に開かれた市街地、といった様相だ。

 

広島市街を抜けると、列車は「セノハチ」と呼ばれる区間に入る。大山峠を瀬野川に沿って抜けていく線路は、22.6パーミル(=1000m進むと22.6m高さが上がる)という急こう配の区間となっている。貨物列車に補助の機関車がつけられたり、電気を流す架線が2重に張られたり……とその難所っぷりがうかがえるが、現代の電車はそんなところも難なく超えていってしまう。

 

そして、その先の河内〜本郷あたりの車窓は、個人的にかなり好きな車窓のひとつ。のどかな自然景の中を、気持ちよくカーブを描きながら滑らかに進んでいく車窓がなんとも楽しい。全国的に見てそこまで有名な車窓スポットではないと思うのだが、見ているとなぜか心が落ち着く。この旅でいろいろな車窓を見てきたけれど、やっぱり個人的な「推し車窓」だなあと思う。

 

新幹線との乗り換え駅でもある三原には、かつて呉線のホームに駅そば屋があった。5年くらい前、高校生のころにここに来た時にはまだ営業していたのだが、平成29年から今に至るまで休業しているとのことだった。たしかに5年前の時点でも流行ってはいなさそうだったので、休業も致し方なかったのだろうなとは思う……が、やはり寂しさは覚えてしまう。

ブレブレの写真で恐縮だが、これがこの店で5年前に食べた駅そば。記憶が美化されているというのはもちろんあると思うけれど、乗っているお肉がほろほろで美味しかったのを覚えている。また食べたいと思うが、残念ながらそれが叶うことはもうないだろう。

 

国鉄電車で横断!岡山エリア

岡山駅で撮影

終点の糸崎で、相生行きの普通列車に乗り換える。ここはまだ広島なのだが、この列車はこの先岡山をまるっと横断し、兵庫まで足を伸ばすロングランの列車だ。車両は国鉄の代表作のひとつである113系。下関と同様に、岡山エリアもまた今でも国鉄型が主役となっている場所のひとつだ。しかし2023年度にはここにも新車・227系が導入されるようで、あと数年すれば様子は激変しているかもしれない。

 

糸崎を出ると、車窓にはふたたび瀬戸内海が現れる。相変わらず工場や建物は多く、今度はしまなみ海道なんかも見えて、瀬戸内のにぎわいっぷりが伝わってくる。

さて、この糸崎から東、相生あたりまでの山陽本線は、青春18きっぷシーズンに混み合いやすい区間のひとつでもある。普段はそこまで需要が多い区間ではないので列車は3~4両の編成なのだが、この沿線には尾道、福山、倉敷といった名だたる観光地が連なっている。これらへ向かうため、青春18きっぷの利用者や新幹線からの乗り継ぎ客が、普通列車にたくさん乗り込んでくるわけだ。

列車は県境を越え、岡山県に入る。手前には広々とした田畑、その奥にはなだらかな山々。瀬戸内っぽい景色の中を、大勢の乗客を乗せて列車は駆け抜けていく。数十分の快走ののち、列車は県都・岡山の駅に到着した。

 

岡山駅では10分ほど停車時間があったので、ホームに出て他の列車を眺めていた。四国からのアンパンマン列車、山陰からの特急「やくも」など、岡山駅には本当に多種多様な列車がやってくる。もっと長く滞在していたい…と後ろ髪引かれる思いだったが、とはいえ10分足らずの短時間でも十分楽しかった。

 

岡山を出ると、列車はふたたび船坂峠を超える山越えの区間に入る。車窓からも、ゆっくりと山が迫ってくる様子が伝わってくる。車内の混雑は岡山を境に落ち着いてきたので、ここからは再び快適な旅だ。

この東岡山〜相生の車窓は本当によかった。「日本らしい景色」……と言ってしまってはあまりに安直だが、とにかく山、川、田畑、人家がちょうどいいバランスで混在する景色の中を駆け抜けていく車窓は、ただひたすらに旅情がある。こういうのが一番楽しいローカル列車の旅だな……と心から思う。

 

三石を発車後、県境をトンネルで越えて兵庫に入り、しばらく走ると上郡。ここは智頭急行線との分岐駅で、ここから高校生と思しき学生さんたちがたくさん乗ってきた。旅人ばかりで閑散としていた車内が、ここに来て一気に活気づく。相変わらず車窓の風景はとてもよくて、毎日こんな車窓を見ながら通学できるなんてなんて羨ましい…!と思った。しかし、彼ら彼女らはみんなスマホをいじったり喋ったりして、外の景色など誰一人として見ていない。まあ、毎日ここを通ってればそりゃそうだよね、と思いなおす。

新幹線や高速道路が合流してくると、終点の相生はもうすぐ。糸崎から3時間近く乗り続けた普通列車とも、ついにお別れの時がやってきた。

 

大ターミナル・姫路へ

相生から姫路までお世話になるのは、打って変わって最新車両の225系。これは快適な移動になりそうだ……と一瞬思ったがこれはぬか喜びに終わった。この列車がめちゃくちゃ混んでいて、車窓の写真すらまともに撮れない状況だったのだ。平日昼間なのになぜ…?という感じだが、まあ大都市・姫路への流動の多さゆえということなのだろう。

旅情を味わう暇もなく、20分ほどで姫路へとたどり着いた。

 

さて、次に乗る新快速の発車までは17分ある(17分しかない)。ちょうど時間も12時台ということで、一部で有名な駅そば「まねきのえきそば」でお昼にすることにした。

これは、「駅『そば』なのに中華麺」という姫路の名物駅そば。小麦が配給制だった戦後すぐの時代に、こんにゃく粉でうどんを作ろうとしたところにルーツを有している。そこから紆余曲折を経て現在の姿になったらしい。

実際に食べてみると、中華麺と和風だしは意外にもマッチしていてなかなかおいしい。乗り継ぎ時間でサクッと食べられるご当地グルメ、という点でもポイント高い。

 

次回予告

次回はホームライナーや「セントラルライナー」用の車両を駆使しつつ、東海道本線をひたすら東へ突き進んでいきます。記事ができたらリンクを追記します。

 

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※この記事内の情報は、2022年3月24日現在のものです。最新の情報については、各社のWebサイトなどで随時確認をお願いします。

 

前回の記事はこちら↓

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18きっぷ日本縦断」最初の記事はこちら↓

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