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ガジェットと旅行記

【18きっぷ日本縦断#06】新快速、ホームライナー沼津、セントラルライナー!駆け抜ける東海道線の旅【乗車記】

 

今回は、青春18きっぷで日本縦断の旅をしたときの旅行記の続きを書いていく。第6回では「東海道線横断の旅」ということで、速くて快適な新快速とホームライナー、そして今年から静岡でデビューした「セントラルライナー」車両(313系8000番台)で東海道を一気に抜けていく様子をご紹介したい。

 

前回の記事はこちら↓

39anartwork.hatenablog.com

 

【もくじ】

 

 

はじめに:今回の旅行について

今回の旅行の趣旨は、青春18きっぷ1枚を1人で使い、5日間かけて普通列車だけで日本を縦断、つまり鹿児島県南端の枕崎から北海道北端の稚内まで行くというもの。地図に書き起こすと、1日目~5日目でそれぞれ次のようなルートをとることになる。

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1日目はピンク、2日目はオレンジ、3日目は黄緑、4日目は青、5日目は紫の区間を移動する

前回の記事では、山口県の徳山から山陽本線をひた走り、姫路までやって来ていた。今回はその続きとして、東海道を小田原まで上っていく。

 

爆走!西の新快速

※この写真は終点・米原駅で撮影

腹ごしらえを済ませ、飲み物も調達したところで新快速に乗り込む。京阪神を130km/hで駆け抜ける俊足の列車で、これは同じ西日本の特急にも引けを取らない速さとなっている。まさしくJR西のエースという感じだ。

実際に乗ってみても、やはりその爆走っぷりには目を見張るものがある。とくに、ここまで散々各駅停車の旅をしてきた身としては、通過駅がたくさんある速達列車のありがたさは嫌というほど身に染みる。座席も快適で乗り心地もいいし、こんなものに青春18きっぷだけで乗れてしまうなんて、つくづく太っ腹な列車だなぁと思う。

 

車窓としてはそんなにすごい景勝地があるわけでは無いが、明石海峡大橋須磨海浜公園のあたりでは海の景色も楽しめる。運のいいことに天候に恵まれ、昼下がりの列車から眺める明石海峡の景色はすごくきれいだった。

ちなみに、この明石海峡大橋、実は鉄道の線路も通せるような構造になっている。これはもともとこのルートを「四国新幹線」が通る計画があった名残で、今でも橋梁には線路敷設用の広大な空間が残されているのだ。今では四国新幹線の計画は白紙となり、巨大な橋には高速道路だけが通されている。

列車は神戸に到着。新快速からすれば何の変哲もない途中駅だが、ここは門司から続いてきた山陽本線の終点駅。つまり、これをもって山陽本線完乗ということになる。記念すべき駅ではあるのだが、お客さんの乗り降りは市街地に近い三ノ宮のほうが圧倒的に多かった。列車はこの先、東京まで続く東海道本線に直通していく。

大阪駅。夕方の時間になると毎度ものすごい人数が新快速に乗ってくることでお馴染みの巨大駅だが、今回は14時すぎの停車ということでほとんど誰も乗ってこなかった。相変わらず天気もよく、このまま梅田をうろうろしたい……遊びたい……という欲望に後ろ髪を引っ張られる。しかしここはぐっと堪えた。もう大阪観光なんて何年も行っていないので、そろそろまたゆっくり遊びに来たいところ。

 

それにしても、車内は本当に空いている。もともとお客さんの人数は大したことなかったのだが、このあと高槻でさらに降りていったので、12両編成の車内はほとんど空っぽになってしまっている。今まで夜の帰宅ラッシュの時間にしか乗ってこなかったので「新快速は激混み」というイメージを勝手に持っていたのだが、昼間14時台はこんな感じなのか……と、新鮮な気持ちになった。

列車は、吹田総合車両所京都支所の脇を通過している。117系221系といった普通の電車のほか、事業用車のクモヤ145なんかも止まっていた。画像1枚目の右端にちらっと写っている、紺色と黄色の車両がそれだ。こういう車両基地の脇を通ると、珍しい電車がいないかな?とついじーっと見てしまう。

滋賀県内に入り、近江八幡を過ぎたあたりから景色は開け、のどかになる。写真に写っている西欧風の建物は安土城考古博物館というらしく、同じ敷地内には、1992年のスペイン・セビリア万博に出展された安土城天守の復元も保存されているらしい。しかしよくよく考えてみれば、秀吉のテリトリーから数十分電車に揺られるだけで信長のテリトリーに到達してしまったわけで、それはそれでなかなかすごいことのように思える。

 

そうこうしているうちに米原に到着。降りてみての第一印象としては「空気がおいしい!」ということだった。古くからの鉄道の要衝だが、周りにはびっくりするくらい何も無いことでも知られている。駅前広場にはコンビニすらない、自然豊かなターミナル駅。ついに米原まで来たか〜!と、謎の達成感とともに幸せが胸を満たす。

 

東海地方は瞬殺…のはずが?

写真は撮り忘れてしまったが、米原からは313系の普通・大垣行きに乗り込む。僕は愛知出身なので、ここからのJR東海区間は比較的通り慣れた道。文字通り実家のような安心感のもと、行程を辿っていく。

米原を出てしばらくは、車窓左手に伊吹山が見えている。とくに北国にあるわけでもないこの山だが、なんと日本一の降雪記録を持っているんだとか。もっとも、その理由は「これほど積雪の多い高所で有人観測をしている観測地点が他になかったから」というちょっとズルい理由ではあるのだが、それはまあいい。

そんな山なだけあり、伊吹山は、3月下旬になってもまだ雪を被っていた。南からひたすら鉄路を辿ってきた僕にとっては、これがこの旅で見る最初の雪となった。

合戦で有名な関ヶ原の峠を越えるべく、列車は山間の平地を縫うように進んでいく。このあたりも朝や夜(特に18きっぷシーズン)はなかなか混んでいて、ゆっくり車窓を楽しめる機会はなかなかなかった。今回は昼過ぎの通過ということで、時間帯的に空いていてとても楽しかった。

……と、ここで列車が停止した。ピピピピピ…という警報音が鳴り響き、「急停車します」という車掌さんのアナウンスとともにブレーキがかかる。ほどなくして、列車はそのまま止まってしまった。線路に人が立ち入ったらしく、列車は、垂井駅(終点・大垣の1つ手前)で運転を見合わせてしまった。

貨物列車と一緒に、垂井駅で出発待ち。幸いにも安全確認は数分で終わり、列車はふたたび動き出した。どうなることかと思った……。

しかし、次の大垣からの乗り継ぎ列車は、わずか1分というタッチの差ですでに大垣を出てしまっていた。仕方なく駅ナカのマツキヨでお茶を買い足し、1本後の新快速に乗り込む。

大垣駅。新幹線こそ止まらないものの鉄道の要衝で、駅舎もなかなか立派

 

快走する東海の新快速と愛知機関区

次に乗ったのは、JR東海の新快速。この列車も313系電車だった。ふかふかのシートに贅沢なサスペンションが奢られた、JR東海のフラッグシップだ。

この列車が止まっている長大なホームは、大垣駅の1番線。かつては夜行列車「ムーンライトながら」の終着点となっていたホームだ。多くの旅人を運んだ夜行の快速列車、しかし今ではその影はなく、こうして平凡な快速電車たちが淡々と発着している。

久しぶりに見た名鉄電車

列車は長良川を渡り、しばらく走ると岐阜駅に着く。ここまでいくつも市街地を見てきた上で見ると、意外にも岐阜の市街地って大きい方なんだなというのは発見だった。岐阜市岐阜城の城下町で、県都にしては珍しく県境からほど近い場所に位置している。

列車は木曽三川を渡って愛知県に入り、濃尾平野の真ん中を快調に走っていく。このあたりは特になんてことない風景なのだが、やはり地元とあって眺めているだけでなんとなく落ち着くものだった。

 

名古屋駅の手前にあるこの場所は、JR貨物の愛知機関区。名古屋地区の貨物列車の拠点として、また名古屋貨物駅に入る列車の折り返し地点として重要ポイントになっている。電気機関車やコンテナ貨物列車だけでなく、普段はあまりお目にかかれない珍しい車両がよく止まっているため、車窓のちょっとした見どころにもなっている。

例えば、この4両つながった黒くて小さい車両は、車掌車の「ヨ8000」と呼ばれるもの。1985年までは貨物列車にも車掌さんが乗っており、その車掌さんが座る車両として編成の最後尾に連結されていたものだ。車内にはテーブルやイスのほか、だるまストーブやトイレなんかも設置されているようで、個人的に乗ってみたい車両のひとつ(そんな機会はまずないと思うけれど)。今では見られる機会もあまりなく、レア車両のひとつとなっている。

この「太平洋セメント」と書かれた白い貨車は、フライアッシュを運ぶためのもの。フライアッシュというのは、火力発電所で石炭を燃やした時に出る灰のことだ。そんなの運んでどうするんだろうと一瞬思ってしまうが、これをセメントに混ぜると強度が上がるらしい。立派な工業原料なのだ。

 

ほどなくして、列車は名古屋に到着。使い慣れた駅ではあるけれど、いちおうは三大都市圏の一角の、その中心駅。当然のように車内からはたくさんの人が降りていき、またたくさんの人が乗ってくる。というか、ここまで来るともう実家のような安心感が強すぎて、このまま実家に帰りたい……という気持ちを必死に押さえ込まねばならなかった。

ラグーナ蒲郡の観覧車が見えると、終点・豊橋はもうすぐ。このあたりは、愛知のJR線では貴重な「海が見える区間」ともなっている。

 

終点の豊橋駅に着いた。ここでは、改札内の通路で知立市の名物「大あんまき」を売っている。これはけっこうおいしいので、もし豊橋で乗り換え時間があればぜひ買ってみてほしい。ベーシックな「あんこ」は190円とお安く、片手で食べられてにおいもなし…と、電車で食べるおやつとしても向いていると思う。

 

続く豊橋〜浜松も313系の列車だったのだが、時間帯的に豊橋市街からの帰宅ラッシュと被ってしまい、けっこう混んでいた上に外も暗かったのでとくに写真などは撮らなかった。明るい時間なら弁天島の景色がいい感じなところなのだが、それも今回はお預けだ。次の浜松〜静岡の列車も同様に、外も暗いしロングシートだしでとくに写真などは取らず、ネットサーフィンなどしてだらだらと過ごしていた。

 

18きっぷ民の天国(?)静岡地区

静岡駅に到着。ここでは40分ほど時間を取って晩ご飯を食べる予定だったのだが、先の遅れの影響で乗る電車が予定より1本遅くなってしまったので、結果的に滞在時間は20分弱となった。お店に入ってものを食べる時間はないので、駅の商業施設「アスティ」でササッと調達することに。

アスティにあったちびまる子ちゃんの看板。ここ静岡市さくらももこ氏の出身地で、ちびまる子ちゃんの舞台にもなっている

 

静岡駅から乗車するのは、この「ホームライナー沼津8号」。330円のライナー券を買うだけで乗ることができ、終点・沼津まで40分の快適な移動が約束されるという「乗り得」な列車だ。

この列車に使われているのは、特急「ふじかわ」「伊那路」にも使われる373系電車。特急形車両ならではのふかふかのシートが、丸2日にわたる各駅停車の旅で疲れた身体を包み込んでくれる。至福のひとときだ。

快適なシートに腰掛け、先ほどのお弁当をいただく。ロングシート普通列車でお弁当を広げるのはちょっと気が引けるけれど、この列車でなら気兼ねなくご飯が食べられてとても助かる。

ちなみに、この日の晩ご飯に選んだのは「とんかつ さぼてん」のお弁当。たまたま目についたというだけで別に静岡名物でも何でもないのだが、まあ安定においしい。

 

※この写真は終点・熱海で撮影

終点の沼津からは、後続の普通列車に乗っていくことになる……のだが、この列車がまた快適なのだった。静岡地区で走り始めたばかりの元「セントラルライナー」車両・313系8000番台が使われているのだ。

この車両、もともとは名古屋近辺の中央本線で有料の快速「セントラルライナー」に使われており、その廃止後もホームライナーなどに使用されていた。しかし、新車315系の導入によって不要となり、今年3月に静岡に転属になったのだ。元ライナー用車両とあって、車内はクロスシートで細かな造作も豪華。終点・熱海まで快適に移動することができた。

 

いよいよ関東に突入

熱海から東側の東海道線は、JR東日本の管轄になる。首都圏では馴染み深いE231系に乗り継ぎ、21時47分、小田原で下車した。

今日の旅程はここで終了。朝6時に山口県・徳山を出発してから、1日で一気に中国、近畿、東海地方を横断してしまったことになる。この日の移動距離は実に920km。普通列車だけでの移動と考えれば、とんでもない大移動だったといえるだろう。

 

夜の小田原駅。意外にも歩いている人はまばらだったが、やはり駅舎は立派で、明かりも煌々と輝いている。明日はここから早朝4時半(!)の始発列車に乗り、青森目指して一気に北上していくことになる。

この日の宿で頂いた焼きおにぎり

 

次回予告

次回は東北本線をひたすら乗り継ぎ、岩手県の北上(きたかみ)まで一気に下っていく予定です。記事ができたらリンクを追記します。

 

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※この記事内の情報は、2022年3月24日現在のものです。最新の情報については、各社のWebサイトなどで随時確認をお願いします。

 

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